富士山は標高が高く高山病になりやすいため、体をならすのに山小屋で1泊してから山頂を目指すのが良いと言われています。また、1日で登る弾丸登山は体調を崩しやすいため、自粛するようにと山梨県・静岡県でも呼びかけている。休みが2日ない行けない・・・もし休みがとれたとしても、山小屋がいっぱいで予約が取れない・・・そういった状況で富士登山をあきらめている人は多そうな気がします。
では、1日しか休みがないのであれば山頂まで登らなければいい!という選択肢も入れてみてはいかがでしょう。7合目か8合目まで登って御来光を見て帰ってくるのもありだと思います。
せっかく登るのなら山頂まで行きたいという願望も十分にわかります。目的が御来光であれば、山頂からでも7合目からでも景色的にはさほど違いはないと思う。そこで、1日しか無いという限られた時間の場合で、富士登山を楽しめる御来光おすすめルート(マイカー規制時)を提案します。
馬返しから7合目までのルート
今年はマイカー規制が53日間連続と、今までにない長期間になっています。5合目から登山するほうが体力的に安心だけど、マイカー規制が解除されるのは9月1日から。規制中には富士山五合目行きシャトルバスで行けるが、御来光に合わせていける時間帯には運行していない。ならば、下から登ってしまえばいい!
5合目に行けるスバルラインとは別ルート、1合目より下の馬返しというところまで車で行くことができます。馬返しから1合目、2合目と登って行くと、6合目の富士山安全指導センターにつきます。そこから7合目までは一緒の登山道というルート。ゆっくり行ったとしても5時間はかからない、早い人だと3時間ぐらいで行けるのではないだろうか。天気が良ければ天の川が見えるほどの星空が見れるので、十分な時間を取っていくのも良いかと思います。
馬返
馬返しには昼間であればバスで行くこともできる。ただし今回は御来光目当てなので、夜中に車で来れる人に限る。
バス停の向かいにはそんなに広くはないが無料の駐車場がある。スペースは20~30台ぐらいかな?富士登山競走の前だと練習に来る人達がたくさんいるようだが、それ以降は空いているという。それでも夜中であれば問題なく停めれるかと思います。
仮設トイレもあるので、ここで用を足しておくと良いかもしれない。
馬返しから富士山山頂まで10.6km、515分と看板に書いてある。距離的には大したことはないが標高差がかなりあるので8時間45分かかるということ。
標高は1450m。馬返しとは、ここから先は道が険しくなって馬を引くことができず、そこで馬を返したことから「馬返」という名がついたようです。
ここから富士山吉田口登山道という看板が所々にあり、おおよその時間も書いてあるので参考にすると良い。
少し進むと鳥居が見えてくる。
普通は狛犬の阿吽だと思うけれど、ここの両脇には何故か猿、阿でも吽でもない。
1合目までの道のりはこんな感じ。
1合目
小屋が見えてきたら1合目到着。20分もかからずに、あっさり着く、標高は1520m。
2合目
少し開けているところが2合目、標高1700m。
夜に来ると、この小屋が雰囲気があり少し怖い・・・
奥に鳥居があり、社が策で囲われている。ここで天気が良ければ星が綺麗に見えるので、休憩してもよいかも(怖くなければ・・・)
3合目までの道のりの途中に、杭が並んでいるところがある。そこから右に行くと登山道だが左側に仮設トイレがある。
暗いのでライトは必須ですね。
3合目
3合目1840m。だいぶ登ってきた。ゆっくり登ってくると1時間半ぐらい。この辺りも開けているので星が綺麗に見える。
老朽化か、大雪の重みで潰れたか、建物の残骸がある。この山小屋もスバルラインが出来る前までは営業していたのだろうか。
少し斜度があるところは階段になっている。登りやすいが歩幅が広くなるので体力が消耗しやすい。
4合目
4合目は大黒天というらしい。標高が書いてあるものは見つけられなかった。
少し雰囲気が変わり、石畳のところもある。
5合目
五合目と書いてある今は営業をしていない小屋。この小屋の前から夜空を眺めると、天の川がよく見えるかも、流れ星も頻繁に見れるぐらい。だいぶ空が近いです。明るくなってくると見づらくなってしまうので早い時間に到達したいところ。
道中、早川館、たばこ屋、不動小屋の跡地がなどある。5合目が一番長く感じるかな。
進んでいくと、3合目手前にもあったような杭が見えてくる。
3合目のよりも幅が狭く、通ろうとすると背荷物がじゃまになるかも。そんな時には左側の杭のないところから抜けられます。
しばらく舗装路を歩く、歩きやすいのでだいぶ楽です。通行止めのさくがあるので、そこの左側からまた登山道に。
そしてすぐ、ちゃんと営業している佐藤小屋。標高2230m。トイレもあるので安心。
富士山保全協力金(入山料)をここでい払うこともできる。ただ受付時間は、7時~16時まで。
6合目
6合目唯一の焼印所、里見平★星観荘という山小屋。
温度計があるので、どのくらいか参考になる。帰り際にに見てみると、7月の下旬の6時頃で10℃だった。
6合目の山小屋を過ぎたのに、なぜか五合五尺と書いてある経ヶ岳。早い時間であればここからの夜空もきれいだと思う。逆にこれ以上登ったところだと山小屋の灯がじゃまになり星は見えづらい。
そしてすぐ、6合目の富士山安全指導センター。富士スバルライン五合目からくる人たちと合流する場所。ここまで、ゆっくり来て3時間半ほど。
7合目の山小屋がもう見えます。6合目からは1時間ほどでいけるはず。
7合目
7合目の一番初めにある山小屋は花小屋、標高2700m。そのすぐ上、標高2710mのところに日の出館。この辺りからでも御来光はかなりきれいに見えます。
8月の日の出時間は5時前後。馬返しを0時~1時くらいに出発しても十分に間に合う時間。ペースの早い人なら2時ぐらいの出発でも大丈夫かも。最低でも6合目の富士山安全指導センターまで来ていれば、日の出方面の視界が開けているので、そこを目標にしてもよい。
登山渋滞もない穴場ルート
馬返しから7合目までで、御来光を見るルートだと、ほとんど人がいないので空いている富士山を満喫できます。山頂を目指すとどうしても登山渋滞に巻き込まれてしまう心配があり、そのせいで頂上に辿り着く前に日が昇ってしまったり、自分のペースで行けないので疲れてしまうというのもデメリット。朝早い時間帯だとマイカー規制のおかげで、富士スバルライン五合目から来れる人も少ない。マイカー規制が逆にメリットになるんですね。
また7合目から下山するときも、登山者が少ないので登山道を無理なく下山することもできる。あと御来光が綺麗に見えるときは日差しが強くなる可能性が高いので、早々に下山すると日焼けや熱中症のリスクも少ない。6合目まで降りてしまえば後は森の中なので安心です。
こんな人におすすめのルート
- 1日しか休みが取れない人
- 山小屋の予約が取れなかった人
- 体力に自信がない人
- 高山病になりやすい人
- なるべく日焼けしたくない人
- 登山渋滞にハマりたくない人
気軽に登れるルートなので、天気の状況で登るかを決めてもよいし、富士山を登ったことがない初心者でも、経験者と一緒に行けば大丈夫かと思います。また5合目から頂上まで登ったことがある人でも新鮮な富士登山を味わうことができるでしょう。
ただし、体力的に余裕が出てくるルートになるので、まだ上まで行けると思っても御来光を見たら下山するというルールを自身で作っておくと良いかもしれません。頂上まで登るのはまた別の機会にしておきましょう。
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