まるで実写のような表現が可能になったNVIDIAの新技術「リアルタイムレイトレーシング」を体験してみました。ゲームの楽しみ方が変わりそう。
リアルタイムレイトレーシングとは
リアルタイムレイトレーシングは簡単に言うと、光の反射を実際に見ているように表現してくれる技術。CG映像であっても、まるで実写であるかのような表現が可能になります。自分の視点を動かせるゲームで体験すると、その技術の凄さを改めて実感できました。
この最新技術を体験するには、NVIDIAの新しいグラフィックボード「GeForce RTX 20シリーズ」を搭載したパソコンが必要になります。またゲーム自体が対応している必要もあり、対応しているタイトルも現時点では少ない。今回使用したパソコンは、ミドルタワーゲームパソコン LEVEL∞ R-Class LEVEL-R039-i9K-XYVI
「Battlefield V」でリアルタイムレイトレーシング有効にする
「Battlefield V」の初期設定では、リアルタイムレイトレーシングはオフになっています。体験したいときは、オプション→ビデオ→詳細設定にてDX12有効をオンにしてから、その下のDXR有効をオンにする。すぐには有効化されないため、一度ゲームを再起動する必要があります。再起動後には変更が適用され、リアルな表現を体験できるようになっています。
リアルタイムレイトレーシングのオンとオフを比較
リアルタイムレイトレーシングをオフからオンにしたときのスクリーンショットを比較します。比較するのに、一度ゲームを再起動しなければいけないため、少しずれはありますが、明らかに違いが分かるかと思います。
DXR無効のまま練習場に行ってみたけれど、反射するものがあまりなく、やっと見つけたのが車のミラー。オフのままでは、視界を変えてもほとんど変化はない。
DXR有効にして車のミラーを覗いてみると、しっかり映りこみが表現されていた。反射は固定されているわけではなく、視界を変えるとそれに合わせて表現してくれている。
車のミラーでは対象物が小さすぎたので、もっと大きく映りこむところを探してみました。オフの状態の時には、建物のショーウィンドウの映り込みはぼやけています。このような大きなガラスだと違いは分かりやすいと思う。
DXR有効をオンにすると、とてもリアルに映りこんでくれた。街灯や向かいの建物の窓枠、気の葉っぱまで細かいところまでが映りこんでいる。ただ、この角度だと建物の壁がないような反射になってしまっている。技術の問題ではなくゲーム側の問題かな。
今度は車の塗装にどれだけ反射するかを試してみました。オフの状態だとぼんやりとしか映りこまない。
DXR有効をオンにすると、車のルーフにまで向かいの建物が反射して映りこむ。鏡やガラスだけでなく、光沢のあるところならリアルに表現してくれるようです。
水たまりは反射しやすいため、オフのままでもある程度は映りこんでくれる。
DXR有効をオンにすると、さらにリアルに映りこんでくれます。水たまりは至る所にあるため、爆破の炎などの映り込みまで楽しめる。
ゲームを遊んでいるうちに一番効果が分かりやすい場所を見つけた。ぼんやりとしか映りこんでいない橋がどうなるか。
DXR有効をオンにすると、とてもきれいに映りこんでくれた。これくらい明るい場所だと違いが分かりやすい。
違いが分かりやすいところだったので、低画質にしても試してみました。すると、映りこんでいる橋が明らかにギザギザして表現されてしまうようです。
ネオンがあったので、文字はどう映りこむのか試してみました。
DXR有効をオンにした時のスクリーンショットを拡大して確認してみると、HOTELのネオン看板がしっかり逆になって映りこんでくれた。
いろいろ試してみると、こんなにリアルに表現してくれるのかと感動するほど。ただ映りこんでいるだけではなく、ゲーマーの視点に合わせて処理をしてくれているのがスゴイ。これならゲームの世界に没頭できること間違いなし!今後、対応タイトルが増えてくるのが楽しみです。
フレームレートへの影響は少なさそう
今回のテスト環境、フルスクリーン解像度が1920×1080 74.97Hzでは、DXR有効をオンにしてもフレームレートの影響はあまりなさそうな感じです。ゲーム中は左上に表示してあり、スクリーンショットを確認すると、ほとんど75FPSと表示されていました。最新技術であってもカクついてしまっては意味がないので、思う存分楽しめそう。
リアルタイムレイトレーシングの電力消費
DXR有効のときの電力消費はどうなのか、ワットチェッカーを用いて調べてみました。
- DXR有効オフ時の消費電力:260W前後
- DXR有効オン時の消費電力:370W前後
変動があるので、だいたいの数値ですが、DXR有効にすると110Wほど電力消費が増えるようです。電気代は少し高くなるけれど、せっかくの性能があるなら没入感を優先して楽しみたい。
「Battlefield V」もDLSSに対応
「Battlefield V」がDLSSにも対応しました。利用するには、2月13日配信のGeForce Game Ready Driver 418.91のドライバーアップデートが必要。
DLSSはディープラーニング スーパー サンプリング の略。一般的に利用されているテンポラル アンチエイリアシング (TAA) 手法に比べて、安定性と画像の明瞭性に優れていて、パフォーマンスを大幅に改善してくれるようです。
自分の環境では4Kに対応していないので「Battlefield V」では試すことができなかったが、FF15のベンチマークでDLSSを有効化してみたところ20%以上もスコアに違いが出ていた。この結果から見ても、パフォーマンスが向上しているのは間違いなさそうだ。
これからのPCゲームは楽しみ
「Battlefield V」でリアルタイムレイトレーシングの技術を試してみました。ここまで映りこみを表現できるとは、感動すら覚えるほどでした。これから対応ゲームタイトルも増えていくようなので、とても楽しみです。今後は、NVIDIAの新しいグラフィックボード「GeForce RTX 20シリーズ」搭載したパソコンが必須になりそうですね。
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