高機能の映像制作ソフト「VEGAS Pro 17」には、新たらしく30種類以上の機能が追加され、さらに効率よく編集できるようになった。その新機能うち、使う頻度の多そうなものをいくつか試してみた。
タイムラインの入れ子構造に対応(ネスト化)
複数のタイムラインをまとめて、編集しやすくするネスト化する機能が追加された。複数のトラックを選択すると、一番右下にあるアイコンがカラーになり、クリックできるようになります。クリックすると保存画面が開くので、ファイル名を付けて保存しておく。ネスト化した時のままを保存しておくことで、後からの再編集も可能になる。
タイムラインを見ると、複数あったトラックが1つにまとまっている。このネスト化されたデータも保存しておけば、普通に1つの映像として使うことも可能。見やすくなって編集しやすくなるため、作業効率に違いが出るのは明らか。
また、ネスト化したデータを再編集することができるのも便利な機能。右下のアイコンから親タイムラインを開くと、元の状態(保存した時)に戻して編集し直せる。編集し終わったら、その隣のアイコンから簡単にネスト化した状態に戻せます。毎回保存する必要がないのも効率の良い機能になる。
スマートな分割
映像の中で必要のない部分をカットした時には、通常では切った部分が分かってしまうもの。それが新機能のスマートスプリットを使うと、滑らかにつないでくれて自然な仕上がりになります。やり方はめちゃくちゃ簡単で、カットしたい部分を選択し、編集のスマートスプリットを選択するだけ。
動きの少ない映像や、必要のない音声部分を切りたいときなどに便利な機能。これだけでも「VEGAS Pro 17」を使う価値はあるかもしれない。また、動きの大きい映像であったとしても、フェードインからフェードアウトが自動で掛かるような感じで、めちゃくちゃ使える新機能だと思います。
複数のカメラの映像を音声データで同期
この同期機能も作業時間を短縮してくれる面白い機能。複数のカメラで同時に撮影した時、音声データが一緒になれば、それらを同じ時間軸に自動で合わせてくれます。
対象の映像を選択し、ツール→マルチカメラ→オーディオを整列イベントに同期するを選択すると、解析が始まる。映像にもよるかもしれないけれど、そんな自時間はかからないようです。
ばっちり一列に整列されました。ただしルールがあるようで、映像を選択する順番によってはエラーになってしまうことがありました。もしかしたら、映像の長さが違うときには、撮影時間が早いものから選択しないといけないのかも。
画面録画ツールの搭載
「VEGAS Pro 17」で編集しているところを撮影できる、画面録画ツールも搭載された。左上メニューのファイルにあるスクリーンキャプチャをクリックすると録画用のスクリーンが開きます。左下の赤丸で録画開始。起動するとPC→ドライブ→ユーザー→ユーザー名にCapturesフォルダが作成され、そこに保存されるようです。録画したものは、もちろん取り込んで編集可能です。
ただし処理が多くなるため、それなりにPCの性能が必要となります。さらに、マルチディスプレイも認識してくれるようで、性能の良いパソコンであれば同時に撮影できそうな感じでした。実況動画やチュートリアル動画の制作に便利な機能。
イベントFXの追加機能
新機能に追加された、超なめらかなスローモーションも試してみました。映像をスローにするにはCtrlを押しながらドラックして伸ばすだけで完成。そこから超なめらかに加工するには、イベントFXからVEGASスローモーションを選択します。処理を試してみたところ、自分のパソコンではフリーズしてしまい断念。
トラックを分割して、一部だけ手振れ補正も試してみました。イベントFXのVEGASビデオ手振れ補正を選択し、処理をしてみると、同様にフリーズしてしまい、これも断念。高度な処理をするにはそれなりのパソコンが必要なようです。逆に高度な処理をしないのであれば、そこまでパソコンの性能はなくても良いようです。動作環境は VEGAS Pro の製品ページで確認してください。
VEGAS全部パックがおすすめ
「VEGAS Pro 17」は、痒い所に手が届く新機能も追加され、作業効率の高い映像制作ソフトでした。ただ、高機能であるがゆえにそれなりの価格がするので、そのまま買わないこと。購入するときは、単品で購入するよりも安くなる VEGAS Proシリーズ 全部パック が圧倒的におすすめ。全機能が使えるだけでなく、解説ムービーがセットになっているというのもありがたい。操作項目はとても多く、直感的に使えるとまではいかないため、操作映像を見ながらの方が分かりやすいと思います。
さらに、サイレンの音など入り込んでしまった音だけを取り除く、オーディオ・スペクトル編集ソフトの「SpectraLayers Pro 6」や、360度カメラで撮影した映像の編集に便利そうな「VR Studio 2」も収録されています。今回、ソースネクストより提供して頂いたのが「VEGAS Pro 17」のみだだったため、これらのソフトを試すことができなかったのが残念なところ。購入するなら絶対に全部パックですね。
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